当店の水の管理

品種別の延命剤

当店では、日々切花の日持ちを研究し品種ごとに最適な管理をする努力を続けています。
品種ごとに使い分ける生花店用の「専用 延命剤」は決して安くはないので、まだまだ使用している生花店はそれほど多くないのが実情です。
また、正しく使用しなければ良い結果が出ないものでもあり、長年使用した経験も必要となります。

カーネーションを筆頭にエチレンガスに弱い植物には、エチレンカット剤を使用してエチレンガスによるダメージを軽減させています。
またフラワーキーパーやフラワーストッカー内にもエチレンガスを除去する薬剤を備え付けしてます。

店内の「各水道」には汎用性の延命剤が自動配合される機械を設置してあり、専用延命剤まで必要の無い植物、または専用延命剤を十分に吸い上げた状態の植物の通常管理用として使用しています。
通常の水道水に切り花を入れると数時間で水中にバクテリアが発生してしまい、その死骸が植物の導管を詰まることによって水下がりの原因の一つになりますし、水道水には栄養分も無い事から切り花の劣化スピードは必然的に速くなります。

それに比べて、入荷して一番最初の水あげ時に適正な処理を行い、専用延命剤が見事にマッチした時の切り花の日持ち効果は目を見張るものがあるほどです。
これを前処理と言います。(もっとも生産者の出荷段階で、既に前処理がされて出荷されているのがベストであり、できる限り前処理を含め、信頼のおける生産者の物を入荷させる努力もしています。)

最後に、お客様がご家庭にて同じく「切り花用延命剤」(既に専用延命剤で前処理されているので汎用性のある延命剤で大丈夫です)をお使い頂く事で最高のパフォーマンスを発揮いたします。

よく代替品として花瓶の水の中に「ハイター」や「10円玉」を入れたり、「砂糖」を入れたりする民間療法的な日持ちテクニックを紹介されたり教えられたりすると思います。
たしかに「ハイター」や10円玉の「銅」は殺菌効果がありますが、栄養としての糖分がありませんし、糖分を補給する為に「砂糖」を入れると今度は糖度は上がりますがバクテリアの発生を助長させてしまいます。

切り花延命剤は「殺菌」と「栄養」という相反する効果がありますので、是非お使い頂く事をおすすめ致します。
延命剤のボトルは約500円前後の金額がしますが、切り花が日持ちする事によって、月の切り花の購入頻度が下がり、延命剤の金額以上の経費削減につながる可能性も十分にありますし、お好きな花がより長い期間楽しむ事ができますのでおすすめです。